天才デザイナーが激昂した
若干22歳が生み出した時計
「ロイヤル オーク オフショア」が誕生したのは1993年。最初に登場したモデルは直径42㎜だったが、当時としては、他のメーカーを見てもこれほど大型のスポーツウォッチは存在しなかった。
オフショアをデザインしたのはオーデマ ピゲの社員であるエマニュエル・ギュエ。当時22歳の若きデザイナーだ。「ロイヤル オーク」の生みの親、有名ウォッチデザイナーのジェラルド・ジェンタは、自らデザインした時計を台無しにしたと、エマニュエルに激怒したという。
前途多難なスタートを切ったオフショアだが、なぜ今日のオーバーサイズウォッチという新たなジャンルを築くに至ったのか。エピソード4では、そのヒストリーと特徴について詳しく解説していく。

今回の「時計のはなし 2021 EPISODE 4」では、オーデマ ピゲの3本の柱のひとつ「ロイヤル オーク オフショア」について紹介する。前半は、誕生秘話も交えながらその歴史について解説。「ロイヤル オーク」という傑作の次にデビューし、周囲の期待を背負いながらも“野獣(ザ・ビースト)”と揶揄されたモデルは、どういった歴史を歩んだのか。後半は、広田氏のウンチクを交えて新作コレクションを紹介。さらにオーデマ ピゲのヘリテージ&ミュージアム部門のセバスチャン・ヴィヴァスが登場し、オフショアの変遷について貴重なストーリーを披露する。